膵臓がんに使用できる抗がん剤は、
- ゲムシタビン単剤
- TS-1(テガフール+ギメラシル+オテラシル)単剤
- ゲムシタビン+エルロチニブ
- ゲムシタビン+アルブミン懸濁型パクリタキセル
- FOLFIRINOX(オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム併用療法)
これら5種類ですが(2016年9月現在)、手術ができるかどうかで使用できる薬剤が変わってきます。
今回は手術で切除ができた後に使用することになる抗がん剤について、詳しく解説します。
転移・再発して切除不能な膵臓がんに使用する抗がん剤については、こちらの記事をどうぞ。
手術で切除した後に使用する抗がん剤
第1選択薬 ■ TS-1
膵臓癌の治療で唯一錠剤で服用できる薬です。副作用は見られるものの、GEM単剤と同等の効果が得られます。
[成分]
テガフール(代謝拮抗薬)
ギメラシル※
オテラシル※
※のついている2つは共に体内でテガフールが分解されないようにする薬。
代謝拮抗薬:がん細胞が増殖する際にはDNA合成を行うが、DNA合成で必要になる材料(核酸、葉酸)のひとつである核酸と似た形の物質を投与し、がん細胞に取り込ませてDNA合成を阻止する方法。
[服用方法]
1日2回 朝・夕食後に内服。
28日間継続して服用し、その後14日間休薬します。(異常がない場合でも少なくとも7日は休薬する)
[副作用](※比較的起こりやすいもののみ記載しています。)
・血液成分(白血球・好中球・血小板・赤血球・ヘモグロビン)の減少
・ヘマトクリット値(血中を占める血球の体積の割合)低下
・リンパ球減少
・肝機能低下(AST・ALT・ビリルビン・ALPの上昇)
・消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐・下痢・口内炎・味覚異常)
好中球:血液中にある白血球の45~75%を占めており、減少すると感染症のリスクが高まる。
血小板:血小板には、血管の外に出た血液を凝固させる働きがあるので、減少すると出血が起きやすく、また出血が止まりにくくなります。
リンパ球:白血球の成分の約25%を占め、チーム(NK細胞、B細胞、T細胞など)を作ってウイルスなどの外敵や腫瘍などの異物を攻撃します。
AST・ALT:体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で重要な働きをする酵素で、肝細胞もしくは心臓や腎臓などの臓器に多く存在しています。何らかの異常で肝細胞が破壊された時に、血液中にAST・ALTが漏れ出します。
ビリルビン:ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素で、血液により肝臓に運ばれ、胆汁中に捨てられます。通常血液中には、ごくわずかしか存在していません。
ALP:肝臓や腎臓などの体の様々な細胞でつくられる酵素で、乳製品やレバーなどに多く含まれるリン酸化合物を分解する働きがあります。何らかの異常で肝機能が低下し、肝臓内の胆汁の流れが悪くなると、胆汁中に存在するALPが血液中に漏れ出し、数値が上がります。
第2選択薬 ■ ジェムザール
これはTS-1で副作用が強く出る場合(忍容性が低い場合)に用います。比較的毒性が少ない薬と言われています。
忍容性:薬の副作用が、服用した人にとってどの程度耐えられるかを表す言葉です。耐えられないほどの副作用が出た薬は「忍容性が低い」と表現されます。逆に十分耐えられる程度の薬は「忍容性が高い」と表します。
[成分]
ゲムシタビン(代謝拮抗薬)
※ジェムザール:ゲムシタビン(代謝拮抗薬)
代謝拮抗薬:がん細胞が増殖する際にはDNA合成を行うが、DNA合成で必要になる材料(核酸、葉酸)のひとつである核酸と似た形の物質を投与し、がん細胞に取り込ませてDNA合成を阻止する方法。
[服用方法]
30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週間連続で行い、4週目は休薬します。
これを1コースとして投与を繰り返します。
[副作用]
・腎機能低下(総たんぱく低下、電解質異常、アルブミン低下)
・肝機能低下(AST・ALT・ビリルビン・ALPの上昇)
・消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐)
これらの副作用は10%以上の確率で起こりやすいと言われています。
電解質異常:電解質とは、体内に含まれているイオン(Na+、K+、Ca2+、Mg2+など)を言い、神経や筋肉などの活動に利用されたり、体液の出入りの調整などにも利用されます。電解質異常は、このバランスが崩れてしまうことを指します。
アルブミン:肝臓で生成されるタンパク質の一種。血管内に水を保持する役割を持つ。
AST・ALT:体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で重要な働きをする酵素で、肝細胞もしくは心臓や腎臓などの臓器に多く存在しています。何らかの異常で肝細胞が破壊された時に、血液中にAST・ALTが漏れ出します。
ビリルビン:ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素で、血液により肝臓に運ばれ、胆汁中に捨てられます。通常血液中には、ごくわずかしか存在していません。
ALP:肝臓や腎臓などの体の様々な細胞でつくられる酵素で、乳製品やレバーなどに多く含まれるリン酸化合物を分解する働きがあります。何らかの異常で肝機能が低下し、肝臓内の胆汁の流れが悪くなると、胆汁中に存在するALPが血液中に漏れ出し、数値が上がります。
それぞれの副作用の対処法については、後日記事をアップいたしますので、すみませんがしばしお待ちください。
抗がん剤の種類についてはこちらの記事をどうぞ。
参考サイト
総ビリルビン<非抱合型(間接)・抱合型(直接)ビリルビン> 肝機能ナビ(田辺三菱製薬)
ALP(アルカリホスファターゼ) 肝機能ナビ(田辺三菱製薬)
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