新薬「オプジーボ」とはどんなもの?
いま、巷で話題の抗がん薬「オプジーボ」について、現状どんなものなのか?膵臓がんに対して効果はどうなのか?気になる点をまとめます。
※以前の記事で「オプシーボ」と記載しましたが、正しくは「オプジーボ」でした。
オプジーボを開発した小野薬品
「オプジーボ」とは、15年前から小野薬品が研究開発を行っていた免疫療法の一種「免疫チェックポイント阻害療法」に該当する一般名「ニボルマブ(遺伝子組み換え)」という薬の商品名です。
2014年7月に承認認可されました。
当時は免疫療法というのはいわゆる「眉唾もの」で効果があるのか怪しい療法だったため、なかなか開発に乗り出す製薬会社がいない中、小野薬品という小さい会社が巨額の開発費をかけ作った薬が今注目されているということですね。
余談ですが、小野薬品の株価もうなぎ登りのようです。
免疫療法とは
第4の治療法として注目
標準三大治療「手術」、「放射線療法」、「薬物(化学)療法」につづく、第4の治療法と言われ注目され始めたのが「免疫療法」です。
手術と放射線療法はがんの部位に直接対処することから「局所療法」と呼ばれ、反対に抗がん剤などの薬物療法や今回の免疫療法は「全身療法」と言われています。
組み合わせての治療「集中療法」というのもあります。
免疫とはそもそも
体の外から入ってきた異物や、がん細胞などの遺伝子が傷ついたりした異常な細胞を発見し、攻撃・消去する役割を持っています。
この仕組みを利用し、患者さん自身のがんを攻撃する機能(免疫機能)を高めるのが免疫療法です。
免疫療法は今まであったのになぜ今注目されてるのか?
そう、前述したとおり、15年以上も前から免疫療法は「眉唾もの」でしたがありました。
なのになぜ突然注目されているのか?
それはオプジーボが、今までの免疫療法と考え方が異なるからです。
免疫療法には、
- 「免疫細胞のもつ『発見・攻撃する機能』を強化する方法」
- 「免疫細胞の『発見・攻撃する機能』を抑えてしまうがん細胞の能力を取り除く方法」
の2種類あります。
オプジーボは後者②にあたります。
免疫細胞は「これは攻撃対象だ」とがん細胞にはあって他の正常な細胞にはない目印(がん抗原というタンパク質)を見つけると攻撃するわけですが、がん細胞はご存知のように、巧みにその目印を隠したり、見つかっても攻撃されないように免疫のはたらきをブロックする物質を出します。
今までは、「ブロックされていても免疫の機能を強化すれば効果があるはず!」と前者①の方法ばかり開発されていたわけですが、「ブロックを解除できれば、本来の免疫機能が発揮されてもっと効果があるのでは?」という切り口で開発されたのがオプジーボなのです。
そして本当に攻撃力強化の方法よりも効果があったので、今注目されているのですね。
ちなみに、②の「免疫細胞の『発見・攻撃する機能』を抑えてしまうがん細胞の能力を取り除く方法」を「免疫チェックポイント阻害療法」といいます。
よく知られている免疫療法は、(1)患者さんの体の中に特定の物質を入れて、がんに対する免疫反応が起こるようにする「能動免疫療法」(2)がんを攻撃する免疫細胞や、がんを攻撃する抗体を体の外でたくさん作ってから患者さんへ投与する「受動免疫療法」がありますが、すべて攻撃力強化の方法です。
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