膵臓がんが発覚すると、すぐに手術するかどうかという話になります。
実は、現在では膵臓がんの有効な治療法は「外科的手術のみ」とされているからなんですね。
膵臓がんは進行が早いのが特徴ですが、その一つの要因として、膵臓が「多くの臓器や神経などに囲まれている」ことが挙げられます。
(↓ピンクの臓器が膵臓)
図を見るとわかるように、かなり密集しています。
肝臓や胃、十二指腸、脾臓(図には書いてありませんが膵臓のしっぽの先端あたりにあります)といった他の臓器、胆管(十二指腸・膵臓・肝臓をつなぎ、膵臓の中を通っています)、門脈(十二指腸からの養分を肝臓へ送る血管)、リンパ節、神経叢(そう)に転移しやすいのです。
そのため、なるべく早く病巣を取ってしまうのが現在もっとも有効とされているんです。
手術をした場合の5年後の生存率は、手術をしない場合に比べると高くなっています。
(この「生存率」というのもただの統計で、個人に当てはまるわけでもなく、必ずしもそうなるわけではありません。詳しくは以下の記事をどうぞ)
手術ができる条件
ただ、手術ができるのはステージⅢがギリギリです。
手術ができる条件は、2つ。
- 遠隔転移していないこと
- 隣接する血管などに浸潤していないこと
(ステージⅣa~Ⅳbは、遠隔転移しているか、他の血管・臓器に浸潤してしまっているということです。ステージ分類については、「膵臓がんとは – 膵臓がんのステージ分類」をご参照ください。)
だからこそ、膵臓がんとわかったらできるだけ早く手術をしたほうがよいとされています。
ただ、安心してください。
進んだステージでも手術できる場合があります。
母はステージⅣaで、膵頭部にできた腫瘍が胆管を圧迫し、
手術前日に黄疸の症状が出ていましたが、手術ができました。
いまのところ統計だとⅣaで手術可能というのは大体2%程にはなってしまいますし、執刀医の判断によっては開腹後すぐに手術中止とすることもあるでしょう。
そのため、執刀医が正しい判断をし、またどこまで切除するのが最適かわかる必要があるのは言うまでもなく、膵臓がんの手術経験の多さが重要になってきます。
黄疸とは
黄疸は、血液中の色素であるビリルビンの濃度が異常に高くなったことが原因で、皮膚や白眼の部分が黄色く変色することです。
黄疸は肝臓の損傷や胆管の閉塞が原因で発生します。 皮膚や白眼が黄色くなり、皮膚のかゆみが生じ、尿の色はしばしば濃くなります。 臨床検査と画像検査が原因の特定に役立ちます。
メルクマニュアル医学百科 家庭版より引用
手術時間と摘出範囲
手術の摘出範囲、手術時間は、腫瘍の大きさで医師が判断しますが、どこに腫瘍があるかにも大きく左右されます。
一番難しく、手術時間も長いのは、膵頭部に腫瘍がある場合。
胆管や門脈といった器官が密接しているので、
大体8時間ほど手術に時間がかかります。
また、直接腫瘍を見て大きかった場合は、
膵頭部のほかに、十二指腸、胃の1/3くらい、胆管、まわりにあるリンパ節、神経も取ります。
(膵頭十二指腸切除術という手術で、
小腸を引っ張ってきて、残った膵臓・胆管・胃にくっつけます。
詳しくは東京医科歯科大学 肝胆膵外科のホームページ(外部リンク)がわかりやすいです)
当日の流れ(母の場合)
患者さんは、朝10時から手術の場合、前日夕方9時から手術の準備で、断食します。翌朝6時からは水も一切飲まないで過ごします。
そしてお腹のなかを空っぽにするために、下剤も飲みます。
9時頃手術室へ向かい、背中(首)から全身麻酔を入れます。患者さんは手術が終わるまで意識はありません。
手術後には重湯から始まり、3分がゆ、5分がゆ、全粥・・・と、
離乳食かと思わせるような喜べない病院食が始まります。
母はこれが一番つらかったと言っていました。笑
なので、手術前に美味しいごはんを食べておくといいと思いますよ♪
▼手術後~退院までの様子についての記事もどうぞ
手術中の家族について
ちなみに、手術の間、家族は待合室で待ちます。
なにかあったとき(出血が多く、輸血をしなければならないときなど)に
呼ばれることがあるので、必ず一人はいないといけませんが、
複数人で待つようであれば順番に買い出しやトイレは行けますのでご安心あれ。
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