質問2.すい臓がんになってから気を付けることはありますか?民間療法や新薬については?


なので、気を付けることっていうのは、もちろん主治医の先生と信頼関係を気づいて二人三脚で癌に対する積極的な治療をするっていうのも大事なんだけれども、痛みであったり吐き気や下痢だったりという症状をちゃんと診てもらいましょうというのが、すい臓がんになって気を付ける大切なことかなと思います。
先ほどの、運動しちゃいけないとか何食べちゃいけないとか、そういうのは特にないですね。

緩和医療を発見時の段階からやったほうがいいっていうのは聞くのですが、緩和医療自体を紹介してもらえなかったとかいう話を割と聞くことがあります。緩和医療というのは、いったいどこに話を持ち掛ければいいんでしょうか?

病院によるのですが、緩和ケア病棟などの施設がちゃんとあるところだと、緩和ケアチームという緩和ケアを専門にされているドクターや看護師さんがいらっしゃるので、緩和ケア病棟に入る前でも一般病棟のほうにも降りてきてくれて、一緒に診てくれることもよくあるんですよね。なので、そういう仕組みがしっかりしているところであれば、主治医の先生に「○○がつらい」など忌憚なく相談して、「できたら緩和的なことを同時にお願いしたい」っていうのを言ってもらうのがいいですね。



あと、病院で薦められる治療のほかに、個人的に民間療法などをやることについて、どう思われますか?

やっぱり基本的には標準治療である手術、抗がん剤、放射線、適用された場合の免疫治療など、科学に裏打ちされたものをおすすめしたり選択肢として出すけれども、そうではない健康食品であったり民間療法であったり、宗教的なものというのはおすすめはしないですね。
理由のひとつとして、全部が全部そうではないですが、中には悪い人がいてすごい高いお金を払わされて物を買ったりやったり・・・というのを見てきているし、寛解している方が全員そういったことをやっているというのはまずないし、たまたまそれで良くなったという方がいても、それが本当に良くなった要因かというのは科学の立場からするとわからないんですよね。ですが、それを信じてやりたいという方をやめなさいと説得してやめさせるわけにもいかないですので、効かなかった場合でも後悔しないようにしていただきたいですね。
もうひとつは、そのとき病院で何か治療をしていることを妨げるようなことはおすすめできないということです。弊害を起こさず、ご自身がそれで心が救われるというものがあるのでしたら、それは自己責任でいいと思います。

ちなみに、抗がん剤が自分に適している、効いている・効いていない、というのは何をもって決まるのでしょうか?

100%全員に効くお薬というのは残念ながらないので、やってみないと分からないんですね。最近では遺伝子でその抗がん剤が効きやすい体質なのか、副作用が出やすい体質なのかを調べることができるようになっているので、そういったことをやってみて、自分に適しているかどうかを判断されるといいと思います。


抗がん剤にしても、色々な抗がん剤を組み合わせて臨床試験を重ねていって、以前にはなかった標準治療ができて、確実に進歩しているので悲観することはないと思います。


「癌は数ある病気の中で一番の難敵と闘うわけだから、ある程度のつらさ、副作用を全くゼロでやっつけられるほど甘くない」
…先ほど副作用のない抗がん剤はないと申し上げましたが、ある程度覚悟して臨まないとやっつけられない敵だっていうことですよね。ですが、ある程度つらさや副作用は軽減する方法はあるし、それぞれの人の価値観で治療をやる・やらないを決めていく選択肢もある。けれども「楽な道」は残念ながらないですよね。
癌を専門で見ている先生の、日々の診療で感じているリアルな声であって、患者さんも必死でやっていて、私(医者)も一緒に頑張るから付いてきてくれっていうメッセージだと思うんです。楽な道はないけれども、大変だけれども、一緒に頑張っていこうっていう。

先生、今日は貴重なお話をありがとうございました。
質問2.すい臓がんになってから気を付けることはありますか?民間療法や新薬については?まとめ

- 痛みや吐き気といった症状と、精神的なストレスも含めて、緩和治療を同時に行うのが大事
- 緩和治療はまずは主治医に相談
- 民間療法は、病院での治療を妨げない&心が救われるのであれば自己責任で
- 抗がん剤が効きやすい体質か遺伝子で調べられるので、抗がん剤を行うかはそれで判断するとよい
- お医者さんも「一緒に頑張っていこう」という気持ちで治療してくれているので、忌憚なく相談しましょう
前編に引き続き、診察時には時間がなくて詳しく聞けないような内容や、民間療法・宗教など…はっきり言ってお医者さんには面と向かって聞きづらい内容も答えてくださいました!
当の患者さんや家族からすると主治医に対してはなかなか質問や相談をしづらいものですが、実はもっと気兼ねなく色々と聞いて、自分の判断を助けるきっかけにするのがよいのかもしれません。
最終的に「なにを選択するのか」は患者さんですので、主治医とよい関係を築けるように自分の気持ち・考えをしっかり伝えた上で、納得できる選択ができるといいですね。
前編インタビューはこちら↓
【インタビュー】第2回:かかりつけ医の先生に薬や治療法の考え方について質問してみました!(前編)
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