補完代替医療のきほん

聞いたことありますか？

「補完代替医療」という言葉聞いたことありますか？

もしかしたら、「もうやっているよ！」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

はたまた「そんな言葉初めて聞いた・・・」という方もいらっしゃると思います。

すでに知っている方には、改めて読んでいただいて認識を深めてもらい、また初めて聞いたという方には、いつか利用するかもしれない日のために知識をつけておいて欲しいと思います。

今日は補完代替医療の基礎をご紹介します。

補完医療とは

まずは、補完医療についてお話します。

「今日は補完代替医療についてなんじゃないの？」と思われた方もいらっしゃると思います。

実は、補完代替医療は「補完医療＋代替医療」なのです。

そこで、まずは補完医療についてです。

「がんの代替医療の科学的検証に関する研究」というサイトがあります。

このサイトは、厚生労働省のがん研究助成金を受けた研究の一部を公開するために作成されました。

このサイトにある「がんの補完代替医療ガイドブック」によれば、補完医療とは「私たちが受けている現代西洋医学（通常医療）を補う「補完する」医療」とのことです。

通常治療を補うための医療

代替医療とは

では、代替医療とは何でしょうか？

「がんの補完代替医療ガイドブック」では、代替医療とは「現代西洋医学（通常医療）にとって代わる、言葉通り「代替する」医療」としています。

通常治療にとって代わる医療

補完代替医療とは

補完医療と代替医療の２つが行う医療には、異なるものもありますが、多くは分けることが困難です。

従って、補完医療と代替医療の両者をまとめて、補完代替医療といいます。（現在では大まかに補完代替治療のことを代替治療と言っています）

まとめた時に、補完代替医療とはどういう医療になるのでしょうか？

アメリカの国立補完統合衛生センターによれば補完代替医療とは「一般的に従来の通常医療と見なされていない様々な医学、ヘルスケアシステム、施術、生成物質など」としています。

注意点

ここで気を付けてほしいのは、補完代替医療が通常医療と見なされていない点です。

すなわち補完代替医療は、自己判断・自己責任で行う医療のことを言います。

いわゆる民間療法と呼ばれているものが、補完代替医療なのです。

補完代替医療は、標準治療（手術、化学療法、放射線療法）を補完するものです。

なので、標準治療を行わずに、補完代替医療のみに頼るのは危険です。

補完代替医療のみに頼ってしまった場合、標準治療で完全に治るがんも、 治療の時期を逸すれば治らなくなってしまいます。

まずは標準治療をした上で、補完代替医療を利用しましょう。

また補完代替医療を行う場合は、現在の治療に影響を及ぼす可能性がありますので、必ず主治医に相談してください。

補完代替医療の種類

それでは、補完代替医療にはどんな種類があるのでしょうか。

実のところ、補完代替医療の範囲と考えられる医療体系は、非常に広く多岐にわたります。

一例を用意しましたので、ご覧ください。（下図）

こちらの図は、アメリカの国立補完統合衛生センターによる分類です。

この図を見て分かるように、健康食品、マッサージ、精神に関わるものなど多種多様であることが分かります。

これらのほとんどが健康保険はききませんので、費用はすべて自己負担となることが多いです。

基礎を理解しよう

今回は、補完代替医療の基礎をご紹介しました。

最後にまとめておきましょう。

• 補完代替医療とは、「一般的に従来の通常医療と見なされていない様々な医学、ヘルスケアシステム、施術、生成物質など」のことを言います。
• いわゆる民間療法のことです。
• 補完代替医療を利用する場合には、標準治療とセットで行いましょう。
• また主治医への相談もお忘れなく。
• 種類は多岐にわたっています。
• その多くが健康保険適用外なので、自費になるので気を付けてください。

以上が補完代替医療の基本的な知識になります。

補完代替医療に興味があるがん患者さんは多いと思います。

まずは、基礎を理解して考えてみてください。

参考資料

がんの代替医療の科学的検証に関する研究（がん研究助成金を受けた研究によって作成されたサイト）

がんの補完代替医療ガイドブック（PDF）　（がん研究助成金を受けた研究によって作成されたガイドブック）