抗がん剤の種類や仕組み、治療方針、がん別抗がん剤の紹介や副作用の対処法まで載っている、素人にはとてもわかりやすく、イラストが豊富で読みやすいように書かれている本を見つけましたので、ご紹介します。
著者について
佐々木常雄氏。2007年の書籍出版当時は東京都立駒込病院の副院長。
現在は、がん・感染症センター都立駒込病院の名誉院長や東京がん化学療法研究会の理事をしているとのこと。
都立駒込病院は日本初のがん化学療法専門科といわれています。そこで治療や研究を行っていた佐々木医師。抗がん剤適正使用ガイドラインや胃がん治療ガイドラインの作成、東京都のがん治療のまとめ役もされていたそうです。
本人はインタビューや書籍でも、現在の日本のがん医療の問題点は「がん患者への心のケアの不足」だと指摘しており、がん治療に関して多角的に見ている印象です。
東京医師アカデミー 佐々木常雄スペシャルインタビュー
この本の内容
まずはがんを理解し、抗がん剤の立ち位置を明らかにし、そして抗がん剤の種類や仕組み、副作用をすべてのがんにおいて紹介しています。また、副作用の具体的な対処法も載っています。
出版当時(2007年)の抗がん剤一覧も載っているので、自分に関連した薬を調べることができます。
抗がん剤に対する考え方が客観的・中立的でよい
「医師から見た抗がん剤治療」「患者の感じる抗がん剤治療」両方の面で書かれているので、読みやすい。
特に「抗がん剤絶対反対!」「抗がん剤はすべきである」のような記述がないのは、読んでいる側も冷静になれるのでとてもよい点です。(そもそもそういった目的の本ではありませんし)
抗がん剤は効く人、効かない人がいるのは事実ですし、がんによっても人によっても効果の出方は変わります。その部分を具体的な数値(何%など)を用いてはっきり書いているのもわかりやすくよい点です。
抗がん剤の基礎知識部分は難しい
抗がん剤が体のなかでどのように効いているか、気になりますよね。
実際、頭の中で悪いもの(がん)をやっつけるイメージを持つのは精神的にもがん抑制にもよいと言います。(科学的にがん抑制への効果が証明されているわけではありませんが)
この本では抗がん剤の種類や、どうやってがんを抑制するかという仕組みが載っています。ただ、これが理解できると大変勉強になるのですが、専門用語が多くて難しいのが悩ましいところです。
難しいですが、仕組みが分かることでイメージしやすくなるので、載っている抗がん剤一覧表から自分が使う可能性のあるものをピックアップし、逆引きの形で仕組み部分を読むとよいと思います。
がんの種類別 抗がん剤紹介
全体的に言えるのですが、2007年の内容なので情報が古いのが難点です。膵臓がんの抗がん剤TS-1はこの頃ようやく出てきたという記述もあり、現在の最新情報を知りたい場合は情報不足は否めません。
ですが、基本的な知識として知るため・初めて抗がん剤を調べる方にはよい本だと思います。
考えられる副作用と対処法がわかりやすい
脱毛、吐き気、下痢、倦怠感、口内炎などなど・・・抗がん剤を使って起こる可能性のある副作用がかなりの数、対処法を含め載っています。
もちろんすべての副作用が起こるわけではありませんが、どのような可能性があるのか把握しておくにはよいですし、実際に副作用が起きた時にどう対処すればよいのかわかるので、バイブルとして持っておくのはいいと思います。
まとめ
全体的に本当にわかりやすく書いてくれています。特にイラストが多くて、文字も大きめなので読みやすいです。(難しい抗がん剤の仕組み部分を除く・・・)
いざ抗がん剤を考えたときに、参考として読んでみるのがおすすめです。
第1章 知っておきたい抗がん剤治療の基礎知識(まず、がんという病気を理解しよう、がん治療における抗がん剤の役割 ほか)
第2章 部位別がんと最新の抗がん剤治療(肺がん、胃がん ほか)
第3章 抗がん剤の副作用とその対処法(脱毛・吐き気・嘔吐 ほか)
第4章 抗がん剤治療の疑問に答えるQ&A(がん性疼痛の治療に麻薬のモルヒネが使われる?未承認薬での治療を受けるにはどうすればよい? ほか)
がんの薬全製剤解説
引用元:Amazon.co.jp
佐々木医師の他の本で評価が高かったものもご紹介しますね。今度こちらもレビューしたいですね。
プロローグ がんと向き合わなくてはいけない時代
第一章 がん告知の歩み
第二章 寿命なんて知らないほうがいい
第三章 緩和医療で気になること
第四章 日本人としての心
第五章 死を考える
第六章 自分の死、他人の死
第七章 絶望の奈落から這い上がるヒント
第八章 短い命の宣告で心が辛い状況にある方へ──奈落から這い上がる具体的方法
引用元:Amazon.co.jp
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