抗がん剤治療の不安を取り除く本
今回紹介したい本は、「あなたが受けられる抗がん剤治療 気になる副作用とかかるお金」です。
これは抗がん剤治療の漠然とした不安を払拭するために、国立がん研究センターが企画・編集した本です。
主に抗がん剤治療の「副作用」と「費用」に焦点を当てています。
この本は、抗がん剤について不安を持っている人向けだと思います。
具体的には、抗がん剤治療前の人、治療を始めたばかりの人、特定の副作用に悩んでいる人、もしくはその家族が読むと役に立つ情報を得られるでしょう。
医学的な言葉を知らなくても、内容はさほど難しくないので理解できます。
この本の構成は、以下のようになっています。
- 抗がん剤で起こりやすい副作用とは
- 副作用や不便を解消・軽減する日常生活の工夫
- 今行われているがんの標準治療と抗がん剤副作用の最新対策
- がん治療にいったいいくらお金がかかるのか
ここからは、それぞれの章について見ていきたいと思います。
1章 抗がん剤治療で起こりやすい副作用とは
この章では、抗がん剤を使用することで起きやすい副作用について紹介しています。
しかも、早く出る副作用順に載っています。
順番としては、「急性期 → 早期 → 中期・長期」の順に載っています。
まず1章で、大まかにどんな副作用があるのかを知ることができます。
2章 副作用や不便を解消・軽減する日常生活の工夫
抗がん剤の副作用によって起きる不便さを解消・軽減するための日常生活の工夫などを知ることができる章です。
この章は3つに分かれています。
抗がん剤治療を受けることが決まったときにしておきたいこと
抗がん剤を使用することが決まったら、やっておきたいことがあります。
事前にやっておくべきことは、「栄養をとる」、「歯や痔の治療を受ける」、「脱毛に備える」、「不妊の可能性に備える」。
これらについて本では、事前にやっておくべき理由を説明し、その上で自分ができることを提案しています。
また医療者に知らせることも具体的に書いてあるので、参考になります。
治療が始まったらするべきこと
この部分では、抗がん剤治療が始まると起きる副作用への対処方法が記してあります。
具体的な方法が分かりやすく提案されています。
自分でできることも、無理なく実現できそうな範囲内で書いてあるので実践できそうです。
治療を続けながら考えていきたいこと
治療を続けながら考えていきたいことには、「周囲とのつき合い」、「性生活のこと」、「二次がん」が書かれています。
これらの事柄に悩む方も多いと思いますが、的確に提案がされているので参考にするといいと思います。
3章 今行われているがんの標準治療と抗がん剤 副作用の最新対策
この章には、それぞれのがんに使われている抗がん剤について書いてあります。
ただし注意してほしいのは、最新ではないことです。
この本が発売されたのは、2013年なので今(2016年)から3年も前なのです。
従って、抗がん剤の情報が当時のものなので、今とは状況が多少違うので気を付けてください。
膵臓がんのページでは、「FOLFIRINOX」という抗がん剤には保険が適用されないと書かれています。
しかし、現在「FOLFIRINOX」は保険適用されています。(2013年12月に承認)
このように、抗がん剤の情報が最新でないので、注意が必要です。
しかし、現在使われている抗がん剤も多く載っています。
また抗がん剤の1コースあたりの薬剤費が載っていたり、使用方法などが図解されているので、分かりやすいです。
ぜひ参考にしてみてください。
4章 がん治療にいったいいくらお金がかかるのか
最後の章では、お金について詳しく書かれています。
「高額医療費制度」、「介護保険」、「税金の還付」、「支援団体」などについて説明されています。
特にこの章で注目なのは、民間保険についての解説があるところだと思います。
がんになっても入れる保険などを知ることができるので、将来の見通しも立つかもしれません。
がんになってお金に不安があるときにこの本を読むと、色々な援助があることが分かり安心できると思います。
本から情報を得る
がんになったら情報集めが重要です。
これはよく言われていることなのですが、情報集めにおいては自分から動かなくては得られないのが現状です。
「じゃあ、どこで集めればいいの?」となってしまう患者さんやご家族も多いと思います。
私たちのサイトを参考にしていただくのもありがたいのですが、本からもたくさんの情報を得られます。
特に本はインターネットの情報とは違い、1つのテーマに関して情報がよくまとまっています。
なので、本からはまとまった情報が得られやすいです。
ただ注意してほしいのは、「情報は最新なのか?」、「信頼できる情報なのか?」という点です。
これらを見過ごすと、大変な誤認が生じてしまう可能性があります。
さて今回紹介したこの本は、抗がん剤を使用するときに多くの人が感じる不安を解消するのに、もってこいの本だと思います。
残念ながら情報は最新ではありませんが、国立がん研究センターの本なので信頼はできる情報源です。
抗がん剤治療に不安を感じたら、ぜひ「あなたが受けられる抗がん剤治療 気になる副作用とかかるお金」を手に取ってみてください。
参考資料
選択肢が増えた膵がんの抗がん剤治療、手術はより安全に Vol.1 がんナビ
あなたが受けられる抗がん剤治療 気になる副作用とかかるお金 国立がん研究センター中央病院院長荒井保明監修
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