がん治療が激変!? 夢のゲノム編集技術「クリスパー」、いきなり医療の本丸へ(twitterまとめ 6月25日~30日)

今回のピックアップ!

今回のピックアップでは、「@okasanproject」がまとめたtwitterの記事の中で、最も注目すべき記事を分かりやすく解説します。

そして、6月25日~30日の間で注目すべき記事は「がん治療が激変!? 夢のゲノム編集技術「クリスパー」、いきなり医療の本丸へ」です。

これについて詳しく見ていきたいと思います。

 

 がん治療が激変!? 夢のゲノム編集技術「クリスパー」、いきなり医療の本丸へ


これからの治療は、遺伝子治療と言われていますが、この記事を読むと遺伝子治療でがんを治療するのも、あと少しという感じがします。

今回の記事は、ゲノム編集でがんの臨床研究をするという話。

 

記事によれば、「ゲノム編集とは、私たち生物のDNAに書かれた「ゲノム(G、A、C、Tの4文字で記された長大な遺伝情報)」を、自由自在に書き変えることができる驚異的な技術だ。」とのこと。

今までゲノム編集は複雑で扱いづらく、普及しませんでした。

しかし、2012年頃に登場した「クリスパー・キャス9(Crispr Cas9)」と呼ばれる第3世代のゲノム編集技術によって、状況は一変。

この編集技術は、高校生でも勉強すれば扱える簡単さだったので、科学者の間でクリスパーは爆発的に広がりました。

そして、現在は多種多様な動植物の品種改良が行われています。

 

医学領域においては、倫理的な問題もあるので、昨年12月に米ワシントンDCで開催された専門家会議で、クリスパーの医療応用に関するガイドラインが策定されています。

そんな中、米ペンシルベニア大学の医療研究チームが、「クリスパーによる各種癌治療の臨床研究を開始したい」とする申請書を「組み換えDNA諮問委員会(Recombinant DNA Advisory Committee:RAC)」に提出。

そして先日、RACは各種の癌治療にクリスパーを応用するための臨床研究(事実上の治療措置)を認可しました。

実際に研究をするにあたっては、米FDA(食品医薬品局)による認可も必要となりますが、最初の難関をクリアしたと言っていいと思います。

 

記事によると、

今回、ペンシルベニア大学チームがやろうとしているのは、「CAR-T(Chimeric Antigen Receptor –T-cell:キメラ抗原受容体T細胞)」療法と呼ばれる最先端の免疫療法と、クリスパーを組み合わせた治療法だ。

般にCAR-T療法では、免疫系に属するリンパ球の一種である「T細胞」を最適化することによって癌に立ち向かう。

特に今回は、癌患者の体内から取り出したT細胞をクリスパーでゲノム編集し、「PD-1」と呼ばれる特殊な分子の受容体遺伝子を破壊する。PD-1 は京都大学名誉教授の本庶佑氏らの研究によって、その仕組みが解明されたもので、これがT細胞に結合すると、その免疫機能を失わせてしまう。

そ こでPD1と結合する受容体の遺伝子をクリスパーで破壊してしまえば、PD1はT細胞に結合できなくなるので、その免疫機能は維持できるというわけだ。こ のように加工されたT細胞を患者の体内に戻すことによって、各種の癌を治療するばかりか、その再発も防げるようになるとペンシルべニア大学の研究チームは 見ている。

今回、臨床研究の対象となるのは、癌の中でも「骨髄腫」「黒色腫」「肉腫」などに侵された15人の患者。彼らの了承は既に得ているため、今後、FDAの認可が下りれば、すぐにでも臨床研究が開始されると見込みだ。

 

つまり、クリスパーを使ったゲノム編集でT細胞のPD-1の受容体を破壊。

そのPD-1受容体がなければ、がん細胞は免疫細胞のT細胞にブレーキをかけることができないので、がん細胞はT細胞によって殺されてしまいます。

そのようにして、がんを治す試みというわけです。

今回は一部のがんに限られますが、今後研究が進めば多くのがんに適用できる治療だと思います。

今後の研究に期待です。

 

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